無駄死にになんてさせない!(「オデッセイ」に見る、中年独身男のひとり上手)
中年独身男は孤独なの。
結婚でもしてたら「折角の休みが家族サービスで消えてったよ」とか自虐できるんだけど、こちとらホモだし。
人間関係が全て職場内で完結してるから、休日遊べる相手がいない。
先日も、職場でまだ20代の部下に「だくてんさん、休みの日は何してるんですか?」とか、定型文っぽいけど俺知ってますから!疑ってますから!みたいな質問をされ、
「んー・・・、映画観るとか一人でできる事ばっかだよ」って、この程度のサーブなぞ簡単にリターンできるわっ!つって割と得意げに微笑んだら、
知ってますから!疑ってますから!に加えて、「なんて哀れな・・・」な眼差しが返ってきて、試合には勝ったけど勝負に負けた感じになった。くやしい。
じゃぁ新しくお友(ホモ)達でもっつっても、すべてのホモが夜な夜な二丁目で蝶よ花よしてるわけじゃない訳で(物理的距離問題)、自ずとひとり遊びが主流となってく。
「ならいっその事、火星で生きるのもアリかも」
っつー火星移住説明会を受ける感じで、『オデッセイ』を観に行ったんですけどね。
すこーしだけネタばれするんで、知りたくない人はお友達と遊んでて。
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俺と違って、取り残されちゃうのね、主人公。
ひとり上手なだくてんなら、それこそオ〇ニーし放題な状況ですよ。
天の恵み!くらいの勢い。NASAの最新設備を使ってありとあらゆるスペースオ〇ニー試しちゃう。
俺くらいひとり上手になると、(アナル)SEXしてなくても痔になったりするのよ。
常識的に考えて、原因があって結果があるんだよな?
因果関係って、そーゆー事だよな?
指もなにも入れてないのに痔。
ホント、原因不明。
身も蓋もないこの状況に、「これが無駄痔にか・・・」と呟いた己の声が若干震えたよね。
こんな事あんの? 感謝好きなラッパーだって、こんな状況感謝できない。
でも、やっぱ宇宙飛行士って賢いんだね。
次々と起こる、それこそ生命の危機に至りそうな諸問題も、割とノーテンキに解決しちゃう。そしてそんな彼を救うべく奮闘する地上職員やら天才的頭脳の持ち主、はたまた「おまえ、そんな善意は持ち合わせていないだろ?」ってかの国まで立ち上がって。
んなこたぁどーでもいい!せっかく独りなんだから真っ裸になれよ!
つって心の中で絶叫したこと数度。
一応念願かなうけど、オ〇ニーしてなかったガッデム。
映像技術の進歩って、ホント目を見張るよな。
『ゼロ・グラヴィティ』(以前、この映画についてもブログを書いてますので、よかったら)もそうだけど、宇宙感ハンパねぇ。
映像はリアル。人間描写は希薄。
ここ数年、この傾向が顕著なのが気になって仕方がない。
振り返れば、「圧倒的映像美!」を謳う映画は、ほぼ全て単純な勧善懲悪モノ。
情報を詰め込み過ぎると観客の脳がパンクするとでも思ってるのかしら。
でも、アレか。
「超絶カッコよくて性格もいい、なおかつデカ〇ラ」とふれこみのモテ筋男とであった時の凡人だくてんの心境みたいなアレか。
「あの笑みのどこかに深い闇があるに違いない」
「きっと猟奇的な性癖を持ってるに違いない」
「はたまた、日本の最新技術が生んだ高性能アンドロイドに間違いない」
と穿ってしまう、俗物の習性。
俺みたいな人間を納得させるには、こうすべきなのかもしれない。
いいんです。超絶イケメンはきっと俺の事は抱いてくれない。
今夜もひとり上手で電脳空間を生き延びてやる!
無駄痔にになんてさせないんだからっ!
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はからずも映画を離れて、わたくしの鬱屈した不満が漏れ出でてしまいましたが、
ディスる程酷くもないので(絶賛して皆様にお勧めする程でもないけど)、そこそこ楽しめました。